インフラファンドを比較してみたブヒー。
安倍内閣から菅内閣に変わり、国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする脱炭素社会・カーボンニュートラルを目指すという宣言がありました。それ以降、インフラファンド全体として堅調な状態が続いていると思います。
個人的には当初想定していたポートフォリオのインフラファンド割合は買付できたので、今後は銘柄の入れ替えやリバランスが主な作業になっていく見込みです。
前回、比較した際の記事はこちらから。各データ一覧
2021年2月15日時点で、下記のようになっています。分配金利回りと利益超過分配金率は予定されている今後1年分です。カッコ内は前回との比較ですが、決算時期が各社バラバラなのでご注意ください。
個人的に買いたい順に並べる
- 規模(大規模>小規模)
- 利益超過分配金率(低い>高い)
- 成長(パネル出力合計の伸び)
タカラレーベン・インフラ(9281)
- 前回挙げた長所
- 分配金に占める利益超過分配金の割合が最も低い
- 規模がカナディアンソーラーに次いで大きい
- 前回挙げた短所
- 分配金が漸減中
今回も順調に規模を拡大し、パネル出力合計でついにカナディアンソーラー・インフラ(9248)を抜いて首位になったかなと思っていたら、エネクス・インフラ(9286)が急に大きな物件を取得して一気に首位に立ち、またもや2位のままでした。時価総額では3位転落です。
また、格付けがJCR A-(ポジティブ)からJCR A(安定的)へ上がりました。
前回少し心配な点として挙げた漸減中の分配金については、2022年5月期に前年同期比でプラスの分配金を出す予定になっています。利益超過分配金を多く出して分配金を上積みしただけのよう気もしますが。もう少し様子を見ないと判断できませんね。
前回から組み入れた物件は6件で、FIT価格の内訳は36円/kWhが2件、32円/kWhが1件、27円/kWhが2件、24円/kWhが1件となっています。当然、平均FIT価格も下がってきています。スポンサーのタカラレーベン(東1・8897)の2021年3月期第2四半期決算資料をみてみると、所有している物件の76%が36円/kWhですが、どんな物件を取得するかはスポンサー次第のところが大きそうです。
ジャパン・インフラ(9287)
- 前回挙げた長所
- スポンサーである丸紅に対する安心感(格付けR&I A安定的)
- LTVが40%ほどと低い
- 前回挙げた短所
- 上場したばかり(規模の小ささ、安定感に欠ける)
順調に物件を取得して規模を拡大してきました。ただ、LTVが低いので初回はPOせずに物件取得すると思っていたんですが、POしての物件取得でした。そのため、物件取得後もLTVは44%と引き続き低い水準です。資料にはLTV60%程度での運用を想定している記載があったような…。格付け維持のためとかあったんでしょうか。おかげで徐々に買い進めていこうと思っていた本法人ですが、PO発表で投資口が下落した時にいくつかまとめて購入することができました。
物件取得によって取得前には北陸電力管内に82%と偏っていたポートフォリオの地域分散が図られ、北陸電力44%、関西電力27%、東京電力17%などとなりました。今後、冬季期間の発電量安定にも寄与すると思うので、利益超過分配金率をもうちょっと下げて欲しいところです。
スポンサーパイプラインからの供給で順調に資産規模を拡大していって欲しいです。
日本再生可能エネルギーインフラ(9283)
- 前回挙げた短所
- 利益超過分配金率がちょっと高い
しばらく物件取得が止まっていましたが、今回9物件取得と再び動き出した感があります。
ポジティブな内容では東急不動産のスポンサー参画があります。信用度の向上とスポンサーパイプラインの確保などメリットが多く、格付けの向上も期待できます。
ただ、利益超過分配金率の高さについては解消されておらず、あまり順位は上げられないところです。
カナディアンソーラー・インフラ(9284)
- 前回挙げた長所
- パネルメーカーならではの垂直統合モデルのメリット
- 規模が最も大きい
- 前回挙げた短所
- ポートフォリオが九州偏重
前回から2件(パネル出力3.3MW)のみの増加と寂しい内容です。長らく維持してきたパネル出力合計での規模首位の座も明け渡しました。とは言え、若干の利益超過分配金率低下や、インフラファンドの中で唯一JCRとR&I両方の格付けを取得していたりと手堅い運営は好印象です。
個人的に順位を下げた理由ですが、投資口価格上昇による分配金利回りの低下が大きいです。インフラファンドの特色の1つに高利回りがありますが、5.5%を下回る現在の利回りでは他のインフラファンドと比較すると、なかなか購入意欲が湧かないところです。次回POを行って投資口価格が下がるようであれば買い増したいですね。
また、取得した2物件は北海道と宮城で、前回もそうでしたが、九州偏重を解消する動きになっています。ただ、2物件のFIT単価が24円/kWhと21円/kWhなのが少し心配です。これまでは32円/kWhが下限だったのに…。
本法人のポートフォリオの50%超が九州電力管内という状況で、九州電力管内での出力制御の回数が増加しています。スポンサーパイプラインにも九州の物件がまだ多くあり、電力の地域間連系線が増強されるまで油断できないところです。この冬は電力需要がひっ迫したこともあり、早期に実現するといいのですが。
エネクス・インフラ(9286)
- 前回挙げた長所
- 伊藤忠エネクスがスポンサー
- 太陽光以外の発電(風力、水力等)を組み入れる予定
- 前回挙げた短所
- 利益超過分配金率が高い
前回同様1物件のみの取得です。ただこの1件でパネル出力98MWの規模なので、一気にパネル出力合計で首位に立ちました。取得前の4倍の規模になりましたが、POの規模もなかなか大きく、PO前は投資口価格10万円超でしたが、現在では9万円を下回っている状態です。
投資口価格の下落で分配金利回りはインフラファンドで最も高くなりました。他のインフラファンドから乗り換えも検討したいところですが、利益超過分配金率の高さがネックになります。また、取得した大規模物件の運用状況をしばらく観察しないとちょっと怖いところがあり、今のところ静観の構えです。
なんてゆっくり構えてるとその間に投資口価格が徐々に上がって行っちゃうんだろうな。格付け(JCR A 安定的)も変更しておらず、伊藤忠エネクスの信頼力を考えると大丈夫そうな気はしますが。
東京インフラ・エネルギー(9285)
上場してから初めてとなる物件取得(6物件25.9MW)がありました。前回まではパネル出力合計が約20MWでしたが、これで倍以上の約46MWとなりました。この調子で規模を拡大しつつ、利益超過分配金率も下げていってもらえれば、購入対象になりそうです。
いちごグリーンインフラ(9282)
新規物件の取得もなく、利益超過分配金率も高止まり。インフラファンドの今後あれこれ
カナディアンソーラーの決算説明資料にキレイにまとめられていたので助かります。
インフラファンドに影響が大きそうなのは以下のようなところでしょうか。
- 発電設備の廃棄費用の積立制度
- FIP制度
- 発電側基本料金
国の政策として推進している分野なのでそんなに酷く不利益な決着にはならないんじゃないかなと楽観してます。