株式を購入する際に個人的な判断基準の一つとして「会社が株主を軽視していないか」というところを重視しています。言い換えると、株主還元が十分か、HPや決算説明資料に株主を意識した伝える力があるかどうかなどを見ています。
なぜかというと株主を軽視している会社は減配や優待廃止、MSワラントなど一般的に既存株主に不利になる施策を実行する傾向が高いと考えているためです。また、決算説明資料が数字を並べただけのものだったり、そもそも決算説明資料がなかったりする場合、業績動向を伺うことが難しくなります。
IR企業賞は毎年楽しみにしています。
この「会社が株主を軽視していないか」という判断基準ですが、当然ながら数値化が難しいことが悩みです。そんな中、利回りとして数値化が容易な株主還元の1つとして配当があり、分かりやすくイメージしやすい「高配当」をキーワードとして数多くの投資信託、ETFが組成されています。
しかし、配当利回りだけでは個人的に不足感が否めません。せめて自社株買いを含めた総還元性向を考慮した指標、またはそれをもとに組成された投資信託、ETFあれば参考にしたいと考えていました。
そこで見つけたのが、「NEXT FUNDS 野村株主還元70連動型上場投信」でした。正確には上場した当時(2019年4月)から、面白そうなETFが買えるようになったなと思っていましたが、調べるのに腰が重く延ばし延ばしでここまで。最近、FDMLXが縮小傾向で毎月の調査がそろそろ不要になりそうということもあり、この辺で調べることにしました。
概要
愛称・略称:NF・株主還元70 ETF
対象指標:野村株主還元70(※)
信託報酬率:0.308%(年率・税込み)
分配金支払い基準日:毎年1月、4月、7月、10月の各7日(年4回)
(※)野村株主還元70
- 過去3年間の実績配当・自社株買い・増資に基づいた「ネット総還元利回り」の高い70銘柄を選定
- 分散投資と流動性のバランスに配慮し、浮動株調整時価総額でウエイト付け(ウエイト上限は2%)
- 東証33業種分類の「銀行業」、「証券、商品先物取引業」、「保険業」、「その他金融業」に属する銘柄は除外する
- 構成銘柄は年1回見直される
概要についてあれこれ
過去3年間の実績配当・自社株買い・増資に基づいた「ネット総還元利回り」の高い70銘柄を選定
配当だけでなく、自社株買いと増資も考慮されています。
信託報酬率:0.308%(年率・税込み)
インデックスファンドと比較すると高いですが、アクティブファンドと考えるとそこまで高くもなく。
分配金支払い基準日:毎年1月、4月、7月、10月の各7日(年4回)
個人的には分配金なしタイプの投資信託だったらと思わなくもないところです。
分配金利回り:3.07%(2023-12-08基準)
「高配当」株を謳うETFと比べると少し寂しいですが、自社株買いが株価上昇に寄与しているはずです。
東証33業種分類の「銀行業」、「証券、商品先物取引業」、「保険業」、「その他金融業」に属する銘柄は除外する
個人的に最もネックになるところはここです。ただ、当ETFと金融個別株を組み合わせることで解消は可能です。
組入れ銘柄
2023-11-30時点、評価額降順
- アドバンテスト(東P・6857)
- 三菱商事(東P・8058)
- 川崎汽船(東P・9107)
- INPEX(東P・1605)
- 本田技研工業(東P・7267)
- 日本たばこ産業(東P・2914)
- 三菱ケミカルグループ(東P・4188)
- 住友商事(東P・8053)
- 三井物産(東P・8031)
- 大和ハウス工業(東P・1925)
- 日東電工(東P・6988)
- キヤノン(東P・7751)
- ENEOSホールディングス(東P・5020)
- ブリヂストン(東P・5108)
- 積水ハウス(東P・1928)
- 日本郵船(東P・9101)
- 任天堂(東P・7974)
- 商船三井(東P・9104)
- ソフトバンク(東P・9434)
- JFEホールディングス(東P・5411)
- 日本郵政(東P・6178)
- ヤマハ発動機(東P・7272)
- KDDI(東P・9433)
- 日本電信電話(東P・9432)
- 鹿島建設(東P・1812)
- 大日本印刷(東P・7912)
- 花王(東P・4452)
- ソフトバンクグループ(東P・9984)
- キリンホールディングス(東P・2503)
- 大成建設(東P・1801)
- TOPPANホールディングス(東P・7911)
- 武田薬品工業(東P・4502)
- 電通グループ(東P・4324)
- 住友金属鉱山(東P・5713)
- JSR(東P・4185)
- 出光興産(東P・5019)
- アイシン(東P・7259)
- 三井化学(東P・4183)
- 積水化学工業(東P・4204)
- リコー(東P・7752)
- ヤマトホールディングス(東P・9064)
- 荏原製作所(東P・6361)
- セイコーエプソン(東P・6724)
- NIPPON EXPRESSホールディングス(東P・9147)
- ユー・エス・エス(東P・4732)
- 住友化学(東P・4005)
- 双日(東P・2768)
- 清水建設(東P・1803)
- 参天製薬(東P・4536)
- 日本特殊陶業(東P・5334)
- LIXIL(東P・5938)
- アマダ(東P・6113)
- 東ソー(東P・4042)
- クラレ(東P・3405)
- 日本碍子(東P・5333)
- ニコン(東P・7731)
- 東北電力(東P・9506)
- 野村不動産ホールディングス(東P・3231)
- 関西ペイント(東P・4613)
- アルフレッサ ホールディングス(東P・2784)
- 九州電力(東P・9508)
- 丸井グループ(東P・8252)
- 日本オラクル(東P・4716)
- 三菱瓦斯化学(東P・4182)
- セガサミーホールディングス(東P・6460)
- 長谷工コーポレーション(東P・1808)
- 飯田グループホールディングス(東P・3291)
- ナブテスコ(東P・6268)
- ヤマダホールディングス(東P・9831)
- TOPIX先物2312
組入銘柄について
日本の名だたる大企業が揃っています。TOPIX先物を除くと全てプライム市場のようです。また、配当利回りが2%台前半の銘柄もあったりと、高配当株ファンドと大きくメンバーが異なりますね。
個人的にあまり手を出したくない、半導体や海運、化学が入っているあたりは考えものですが、既に保有している、または今後保有したいと思っていた銘柄が数多くあり、プラス要素マイナス要素が入り混じっている印象です。
今後
基準額1487円(2023年12月12日時点)で売買単位は1口と少額で済むので、気が向いたときに都度積み立てるかもしれませんが、ある程度まとまった額での購入はもう少し様子を見たいと思います。理由としては、金融が組み入れられていないことと、あまり手を出したくない銘柄が散見されるところです。積み立て購入するにしても、個別株でバランスを取りながらとなりそうです。
銘柄の入替は年1回1月に実施されているので、毎年2月に入替の銘柄を確認するようにします。まずは今月中に2023年1月に実施された入替結果を記事にしようと思います。
野村アセットマネジメントによる上場時のETF紹介記事